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新しい複合型サービスの検討状況について(通所+訪問介護)

R5年8月30日に開催された第222回社会保障審議会介護給付費分科会において、

通所介護と訪問介護を組み合わせた複合型サービス提供に向けて議論が開始されました。

今後、次回の改定までに運営基準や報酬体系などが公開されますので、要チェックの議論になります。

 

今回の議論でチェックしておきたいポイントとしては、「訪問介護サービスの実績や今後の見込量等」の資料の中で、

令和22年(2040年)に令和3年の事業所数より約5,000事業所の整備が必要で、

訪問介護員数は約32,000人の確保が必要という調査結果が出ていることです。

※R5年8月30日開催 第222回社会保障審議会介護給付費分科会 資料3新しい複合型サービスより引用

 

令和3年11月サービス提供分のデータでは、訪問看護を利用している方は結構な割合で通所介護を利用していることも分かっています。

※R5年8月30日開催 第222回社会保障審議会介護給付費分科会 資料3新しい複合型サービスより引用

 

訪問介護の利用者は通所介護の利用ニーズも一定数あるので、

通所介護事業所の法人は55.4%が訪問系サービス事業所を運営し、

訪問介護事業所の法人は53.4%が通所系サービス事業所を運営しています。

調査結果を見ると、半数以上が訪問と通所介護の事業所を運営していることが分かりました。

※R5年8月30日開催 第222回社会保障審議会介護給付費分科会 資料3新しい複合型サービスより引用

 

訪問系と通所系サービスを併用することのメリットとしては、

「利用者と接する時間が長い通所介護で利用者の性格やニーズを把握し、訪問介護側にフィードバックできること」、

等が挙げられています。

 

※R5年8月30日開催 第222回社会保障審議会介護給付費分科会 資料3新しい複合型サービスより引用

 

一方で、訪問系サービスと通所系サービスを併用する際の居宅介護支援事業所が感じる課題については、

「急なキャンセル等のサービス変更があった場合の事業所への連絡調整が煩雑である」が 46.1% と最も多い状況です。

※R5年8月30日開催 第222回社会保障審議会介護給付費分科会 資料3新しい複合型サービスより引用

 

他にも、訪問系サービスと通所系サービスを併用している利用者の情報のやり取りにあたっての課題としては、

訪問系は「あくまで別の事業所であるため情報共有の質と量の個人差が大きい」が高い傾向で、

通所系サービスでは「利用者のニーズを把握してからケアプランに反映させるまでタイムラグがある」が高い傾向でした。

※R5年8月30日開催 第222回社会保障審議会介護給付費分科会 資料3新しい複合型サービスより引用

 

もし、訪問系サービスと通所系サービスを組み合わせた複合的なサービスがあった場合の利用者のメリットとしては、

「訪問サービスと通所サービスを通じて、切れ目のないケアを受けることができる」、

「通所で明らかになった利用者の課題を訪問でフォローするなど、より質の高いサービスが受けられる」、などの回答割合が多いようです。

 

※R5年8月30日開催 第222回社会保障審議会介護給付費分科会 資料3新しい複合型サービスより引用

 

現状、通所介護もしくは訪問介護のいずれかを運営している法人は、併用のハードルを確認してみてはいかがでしょうか?

改定後には、競合施設と人材の取り合いになる可能性が高いので、政策誘導される際の加算メリットや要件緩和があっても、人材を採用できなければ複合型サービスに参入できないので、早めの検討をオススメします。